1992年、松下電器産業が課長昇進対象者530人を1カ月にわたり、系列店の店主らとペアで家庭訪問させたのも、これまでの調査と"なにかが違う"点を、自分の足で確かめたところにねらいがあったといいます。
ある人がコーディネートした株式会社アシックスの92年新入社員170名の二次研修(入社後6カ月研修)は、巨大な研修センターを後にして、全員がチームを組んで街に散り、決められた一定のテリトリーで、通行者という潜在顧客にコンタクト、自社商品・サービスの優位性と改善点を身をもって把握するという、これまでの新人研修の枠ぐみを超えたものでした。
収集された有効情報数は3000を超え、即座に関連事業部にフィードバックされましたが、この研修は"お客さまの生の声を聞く"という本来の目的のほか、生涯お客に接することのないかも知れない管理部門配属者も含め、新入社員にマーケティングマインドを培ううえでも有効であり、またアシックスのPRにも一役買う効果があったそうです。